2017年12月14日

「六花」vol.2


著者 :
六花書林
発売日 : 2017-11-21

「とっておきの詩歌」というテーマで歌人・俳人20名が文章を寄せている。いずれも書き手の熱意が伝わってくる文章ばかりで、読み応えがある。時流に全く乗っていない感じがまたいい。

取り上げられている詩歌をいくつかご紹介しよう。

 いづくにか潜みてゐたるわれの泡からだ沈むるときに離れ来
                          二宮冬鳥
 雪原と柱時計が暮れはじむ        松村禎三
   白に就て
 松林の中には魚の骨が落ちてゐる
 (私はそれを三度も見たことがある)
                          尾形亀之助
 ふれあえば消えてしまうと思うほどつがいの蝶のもつれて淡し
                          筒井富栄

編集後記によれば、六花書林は創業十二周年を迎えて十三年目に入ったと言う。「創業の直前に生まれた子が来春には小学校を卒業する」とあって、しみじみとした気分になった。

2017年12月5日、六花書林、700円。

posted by 松村正直 at 20:55| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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