2017年11月16日

「現代短歌」2017年12月号


前号の中西亮太さんの評論「誰が桐谷侃三だったのか」を受けて、中西さんと篠弘さんの対談(インタビュー)「歌集『六月』をめぐって」が掲載されている。全10ページ。

これがすこぶる面白い。篠さんの博識ぶりと記憶力の確かさに驚かされる。さすがに短歌史の第一人者といった感じだ。それと、自ら「善麿の最後の弟子」を名乗るだけあって、土岐善麿の人となりや考え方がとてもよく伝わってくる内容であった。

「僕は東京生まれの東京育ちでもありましたし」「土岐さんの批評は東京人の僕の感性に合うところがありました」という発言は、篠さんと善麿のつながりを考える上で大事な側面だろう。

善麿は味わい深い歌を数多く残しているが、今ではあまり取り上げられなくなってしまった歌人の一人と言っていい。それは「土岐さんは自分の結社を持っていなかった」ことも理由の一つになっているように感じる。

posted by 松村正直 at 08:10| Comment(2) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
実際のインタビューの場では篠さんはもっと色々率直に語っておられましたが、誌上ではかなりソフトに、コンパクトにまとまっています。インタビューとか座談会とかの記事はそういうものなんですね。

よく読むとわかりますが、拙論への反論もあちこちにあります!
Posted by 中西亮太 at 2017年11月18日 23:27
インタビューも座談会も、ゲラの段階で手を入れられますので、確かに実際のやり取りや雰囲気とは異なる部分がありますね。当事者にしかわからないことですが。

そう言えば「短歌往来」11月号は篠弘さんの特集でした。

Posted by 松村正直 at 2017年11月18日 23:51
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。