2017年10月12日

「ぱらぷりゅい」


関西在住の女性歌人12名による同人誌。
参加者は、岩尾淳子、江戸雪、大森静佳、尾崎まゆみ、河野美砂子、沙羅みなみ、中津昌子、野田かおり、前田康子、松城ゆき、やすたけまり、山下泉。
「ぱらぷりゅい」はフランス語で傘のことらしい。

全員の連作12首と、互いの第1歌集の批評、年表、歌会記など盛り沢山な内容となっている。全88ページ。山階基の手になる装幀・デザインも素敵だ。

 山火事のようだ怒りは背中からひたりひたりと夜空をのぼる
                        江戸雪
 紫陽花の重さを知っているひとだ 心のほかは何も見せない
                        大森静佳
 文学を解する猫は眠りをり陽のうつろひを鼻に感じて
                        野田かおり
 彗星と細字で書けばペン先に夜の光の集まり始む
                        前田康子
 さやうなら薄い衣をまとはせて金の油へ鰯を放す
                        松城ゆき
 ざんねんな探偵としてわれはわれに雇われいたり今日も推理す
                        山下泉

1首目、怒りの激しさや身体感覚がよく伝わってくる。何とも怖い。
2首目、下句がおもしろい。「心は見せない」なら普通なのだが。
3首目、下句がいかにも眠っている猫という感じがする。
4首目、「彗星」には横線がとても多いので、丁寧に書いている感じ。
5首目、鰯の天ぷらを作っているだけなのだが、歌にすると美しい。
6首目、あまり有能な探偵ではないのだろう。問題は解決できないまま。

2017年9月18日、500円。

posted by 松村正直 at 10:05| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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