「そんなの偶然だよ」と言われるかもしれないので、遊び半分ではあるが確率を計算してみよう。五十音の出現率をそれぞれ50分の1(0.02%)と仮定すると、二句以下の頭の字がその前の句の中にすべて含まれる確率は
(0.02×5)×(0.02×7)×(0.02×5)×(0.02×7)=0.000196
となる。約5000首に1首という確率である。
もっとも、実際には五十音の出現率はすべて同じではなく、字によってバラツキがある。そこで、ネットで見つけた表を参照して、「し」0.046%、「あ」0.017%、「き」0.024%という値で計算し直してみる。
http://www7.plala.or.jp/dvorakjp/hinshutu.htm
(0.046×5)×(0.017×7)×(0.024×5)×(0.046×7)=0.001057
約1000首に1首という確率だ。
別に佐太郎がそうしようと意識して作ったわけではないだろうが、結果的には良い調べを生み出すもとになっている。言葉をならべる際に、そのような音を選ぶ感覚が身についていたということであろう。