短歌における「総合誌」とは「結社誌」や「同人誌」に対する言葉で、一般に言う「商業誌」のことである。現在、短歌総合誌と呼ばれるものには「短歌研究」「角川短歌」「歌壇」「短歌往来」「現代短歌」の5誌がある。
わが家ではこれらをすべて定期購読しているので、毎月5冊の雑誌が届くことになる。それに加えて「現代短歌新聞」「うた新聞」の2紙も定期購読している。(金持ちだという自慢ではありません、念のため)
もう15年も前になると思うが、永田和宏さんから「短歌の世界で本格的にやって行こうと思うなら、痩せ我慢してでも雑誌を定期購読することだ」と言われて、それ以来ずっとそうしている。
短歌総合誌については、「毎月毎月、読み切れない」「どの雑誌も似たり寄ったりで特色がない」「値段が高過ぎる」「掲載されている作品がマンネリ」「保存しておく場所がない」「近くの書店で売っていない」「新人賞の発表号だけ買えばいい」といった話を聞く。
どれも、その通りだと思う。別に反論するところはない。
では、なぜ定期購読を続けているのかと言えば、ただ一点だけ。短歌というジャンルを応援しているからである。資本主義社会においては、自分の価値観はお金の使い方によって示すしかない。僕は短歌が好きだから、短歌にお金を使う。単純なことだ。
定期購読者の数は、その雑誌の力になる。読みたいだけでなく応援する気持ちがあるから、定期購読しているのである。
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3年前、初めて短歌の総合誌を買って読んだ時、そのつまらなさにびっくりしました。たまたま自分の好みに合わなかった歌が多かったこと、短歌の学びが足りなかった要素ももちろんあると思います。でも、インターネットに溢れていたイキイキした短歌と比べると、マンネリで凡庸で工夫もない歌が、たくさん大きく掲載されていて、本音を言ってしまえば衝撃でした。
3年間、これは口に出すことができませんでした。これが短歌なら、私が短歌から去るべきなのだろうとも思いました。でも、やっぱり面白くて3年以上、ずっと憑りつかれたように短歌を詠んでいます。駄作ばかりですが、楽しいです。
短歌界を応援する意味で買う、納得しました!応援すれば、内容もどんどん魅力的に変わっていきますね。
この記事から4年が経って、短歌雑誌も少しずつ変化してきています。「ねむらない樹」(季刊)も創刊されましたし、「短歌研究」や「現代短歌」も誌面が刷新されました。購読する人の興味・関心やニーズに応じて、魅力ある内容になっていくと良いですね。
この20年くらい、雑誌全般の売上はどんどん落ちる一方で、短歌雑誌も経営的にはどこも大変だろうと思います。今後も短歌というジャンルを応援する意味で購読を続けていくつもりです。
こんなに昔の記事だったこと、今気づきました。失礼致しました。
そして、どんどん売上は落ちている状態なのですね…。確かに、買いたいと思いませんでしたから、新規購読者がつかないのは納得ではあります。
でも、確かに最近短歌雑誌は大きく変革していますね!面白いと思える内容だったら、やっぱり売れるのではないかと思います。
どうもありがとうございました。雑誌も時々買ってみます。
https://shuppankagaku.com/statistics/japan/
ネットで様々な情報が得られるようになったことが大きな原因だと思います。短歌雑誌も、たぶんいつまでも安泰ではないでしょう。