2017年07月26日
河野博子著 『里地里山エネルギー』
副題は「自立分散への挑戦」。
再生可能エネルギーに関する取り組みを全国各地に取材してまとめた本。例として挙がっているのは、宮城県東松島市(太陽光)、山形県庄内町(風力)、鹿児島県甑島(太陽光、蓄電池)、岩手県紫波町(木質チップ)、富山県五箇山・宇奈月温泉(小水力)。
再生可能エネルギーの利用が「地球温暖化対策」や「輸入燃料への依存度の軽減」「災害時対応」といった目的だけでなく、地方創生の手段になるとの指摘が、本書の大きな特徴だろう。エネルギーの地産地消が、町おこしの一環になり得るというのである。
現在は固定価格買い取り制度などの優遇策や補助金に頼っている部分が大きいが、再生可能エネルギーが普及して設備投資にかかる費用が安くなれば、経済的にも十分に成り立つように思われる。
2017年1月25日、中公新書ラクレ、780円。
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