『永田和宏作品集T』(第1歌集『メビウスの地平』〜第11歌集『日和』を収録)の初句索引を見ていると、いろいろな発見がある。
その一つはこれ。
樺太に行きしことなし樺太と同じ緯度なるベルリンに飲む
『日和』
永田さんに樺太の歌があったとは!
『日和』はもちろん読んだことがあるのだが、当時は樺太に関心がなかったのでノーチェックだったのだろう。
いやいや、ぜひ樺太に行きましょう。
ヨーロッパの緯度が日本に比べて高いことは、よく知られている。
主要な都市の緯度を比較してみると、
ベルリン・・52度
ロンドン ・・51度
パリ ・・・・・48度
札幌・・・・・43度
ローマ ・・・41度
青森・・・・・40度
東京・・・・・35度
鹿児島・・・31度
那覇・・・・・26度
といった感じになる。
樺太の緯度は45度〜54度。戦前のソ連と日本との旧国境線が北緯50度なので、ベルリンは緯度だけから言えば樺太でも「北樺太」(ソ連領)の方に位置するわけだ。
ちなみに、京都の四条通りには北緯35度の碑が立っている。