2017年06月17日

那部亜弓著 『知られざる日本遺産』


副題は「日本統治時代のサハリン廃墟巡礼」。
八画文化会館叢書vol.3。
廃墟や珍スポットの紹介で有名な八画文化会館の本である。

「かつて恵須取には樺太で紙生産能力No.1の王子製紙工場があったらしい」との情報を手掛かりに、今は廃墟となっている樺太の工場を訪ね回った記録。

王子製紙の恵須取工場、知取工場、敷香工場、真岡工場、落合工場、豊原工場、大泊工場、さらにサハリン各地に残る日本時代の遺構の写真が収められている。敷香、真岡、大泊の工場には行ったことがあるので懐かしい。

私は人より海外の空気を吸った方だと自負しているが、このサハリン行脚ほど金がかかった旅はない。(…)限られた5泊6日の時間の中で、すべてを回りきるには、自由がきく車のチャーターが必要になる。それも未舗装の砂利道をゆくので4WD車で。(…)そして、何より情報がない。

著者がサハリンを訪れたのは2009年のこと。基本的な状況は今でもそれほど変っていない。

2015年8月、八画出版部、1000円。

posted by 松村正直 at 00:03| Comment(0) | 樺太・千島・アイヌ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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