2017年06月16日

小塚拓矢著 『怪魚ハンター』


2010年に地球丸より刊行された『怪物狩り』に加筆・修正して改題したもの。

「自分より大きな魚が釣りたい」という夢を追い、「大学時代に5回、オレは海外に釣り旅に出る」と宣言した著者。

アマゾンの「神龍」ピラルクー、アフリカの「牙」タイガーフィッシュ、モンゴルの「鬼」タイメン、パプアニューギニアの「闘神」パプアンバス、アフリカの「幻獣」ムベンガなど、体長1メートルを超える魚を釣り上げる様子が実に生き生きと伝わってくる。

本書はそうした大物釣りの記録であるとともに、18歳から24歳までの初々しい青春の記録でもある。

新潟から実家の富山までのお盆帰省に際して、「24時間で何km歩けるか」を実験した。強盗に襲われるなどして一文なしになったときに、とにかく歩いてでも空港にたどり着くために。いち生物として、自分のスペックは、いかほどなのか。人として、知っておかなければいけない基礎情報だと思った。
結局、僕が持っていたのは、出発する勢いと、諦めない信念と、そのふたつだけだった。そしてきっと、必要だったのはそれだけなんだろう。

その後も自らの立ち上げた会社で釣り具の企画・販売をしながら怪魚釣りを続け、既に世界46か国を訪れたと言う。そのエネルギーに、ただただ圧倒される。

2017年1月5日、ヤマケイ文庫、900円。
posted by 松村正直 at 07:49| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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