2017年06月14日

「アララギ」 昭和17年2月号


 P1050716.JPG

用があって古い「アララギ」を読んでいる。
昭和17年2月号。

前年12月8日の真珠湾攻撃や12月10日のマレー沖海戦の華々しい戦果が、多くの歌となって誌面に載っている。

ペンシルバニヤに命中したる直後にて空中魚雷の白き雷跡
(らいせき)            山口茂吉
ほふり得しレキシントンの轟きを自ら聞きて還りたる艦(ふね)
                   佐藤佐太郎

高安家の人々の歌も載っている。

巨艦(おほきふね)ほふりはてむと身をもちて火炎に入りし
稚(わか)きますらを      高安やす子
戦はいづちと思へばせきあへぬ心となりて空を仰ぎつ
                   高安国世
今まさに艦勇ましく戦ふに灯火管制下二人の吾子は眠れり
                   高安和子

それぞれ「二月集 其一」「壬午集(土屋文明選)其三)」「壬午集 其一」に掲載。

ちなみに表紙の絵は、マネの「エミール・ゾラの肖像」。
http://art.pro.tok2.com/M/Manet/z047.htm

扉に茂吉がこの絵の鑑賞を書いている。
posted by 松村正直 at 23:11| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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