用があって古い「アララギ」を読んでいる。
昭和17年2月号。
前年12月8日の真珠湾攻撃や12月10日のマレー沖海戦の華々しい戦果が、多くの歌となって誌面に載っている。
ペンシルバニヤに命中したる直後にて空中魚雷の白き雷跡
(らいせき) 山口茂吉
ほふり得しレキシントンの轟きを自ら聞きて還りたる艦(ふね)
佐藤佐太郎
高安家の人々の歌も載っている。
巨艦(おほきふね)ほふりはてむと身をもちて火炎に入りし
稚(わか)きますらを 高安やす子
戦はいづちと思へばせきあへぬ心となりて空を仰ぎつ
高安国世
今まさに艦勇ましく戦ふに灯火管制下二人の吾子は眠れり
高安和子
それぞれ「二月集 其一」「壬午集(土屋文明選)其三)」「壬午集 其一」に掲載。
ちなみに表紙の絵は、マネの「エミール・ゾラの肖像」。
http://art.pro.tok2.com/M/Manet/z047.htm
扉に茂吉がこの絵の鑑賞を書いている。