高島さんの歌や人生の軌跡がよくまとまっていて、とても良かった。
みんな、親がアメリカに旅行に行ったとか仕事で行ったとかそういう話をしているなか、私が「父はマレーシアに戦争に行きました」っていうと大笑いされて(笑)
最初の頃は都市的な猥雑さを歌にしていましたけど、そのうち、そういうものを忌むようになって、「伝統詩としての短歌」というところに自分の根拠を求めるようになったんです。
やっぱり、私は岡井さんの弟子だっていうことですよね。岡井さんから学んだことは絶大だと思います。
歌である以上、今を生きている命のリアリティがないとだめなわけで、今を生きている以上、様式的な美からははみ出すことが常にあるわけです。
妻のグラフィックデザイナーの石崎悠子と出会ったということが大きいですね。他者の力で自分が変わっていくのに驚いたし、いい形で変わっていける相手だったんです。
どれも歌人高島裕や高島の歌を論じる際に、大事なポイントと言って良いだろう。今後の活躍がますます楽しみである。