先日届いた日本現代詩歌文学館館報「詩歌の森 第79号」に、学芸員の濱田日向子さんが次のように書いている。
資料に収められるそれぞれの作品には当然その作者が存在し、その作品や論文を求めている読者や研究者も存在している。詩歌の世界では、実作者は同時に読者であり、研究者であることも多い。これは、日々寄せられるレファレンスに対応するなかで初めて知ったことだった。
「どこを探しても見つからなかったものがようやく見つかった」と、利用者の方から笑顔でお礼を告げられたとき、誇らしい気持ちになると同時に、文学館のこれまでの積み重ねを思った。
もし今、その資料を必要とする人がいなかったとしても、十年後、百年後はどうだろうか。いつか来るその時のために、後世に資料を遺し、それを求めている人とつないでいくことが私たちの大切な仕事なのだと感じている。
日本現代詩歌文学館は、コピーの郵送をしてくれるだけでなく、レファレンス(調査・研究の手助け)にもきめ細かく対応してくれるので、短歌の評論を書く人や書きたいという人は、ぜひ利用してほしいと思う。