「いろいろな本を読んでますね」と時々言われるのだけれど、別にいろいろな本を読んでいるつもりはなくて、全部が僕の中ではつながっている。
例えば、今回読んだ『羊をめぐる冒険』について言えば、一つには「樺太」−「山野井洋」−「歌集『龍爪緬羊牧場』」−『羊をめぐる冒険』という流れがあり、もう一つは「高安国世」−「芦屋」−『羊をめぐる冒険』という流れがあった。
人生は連想ゲームに似ている。
連想をつなぐようにして物事が進んでいく。
一つの連想だけであれば、そこには特に必然性はない。でも、二つの別々の連想が交わると、そこには強い必然性が生じる。今回も二つの流れの交点に『羊をめぐる冒険』が出てきたので、読んだという次第。
僕と短歌との出会いもそれと似たようなもので、当時住んでいた「函館」という町と、僕の好きな「文学」の流れが交わるところに「啄木」が現れたのだった。
連想自体は気ままな偶然に過ぎないが、それが交差する点については、僕は強く信じることにしている。
2017年03月12日
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