ここでは一点だけ。
光森裕樹さんの文章の最初に僕の名前が出ているのに驚いた。
松村正直がサハリンを訪れたことを知ったのは、昨年の夏だった。樺太についての連載が「短歌往来」で展開されていた頃から、その情熱が松村を現地に導く予感はあった。それが実現したということが頭の中を一日中巡り、夜更けになって急に涙が溢れた。
ええっ! 何で泣いているの? とびっくりする。
光森さんとは特に親しい間柄でもなく、批評会などの場で何度か会ったことがあるだけだ。
でも、光森さんの2ページの文章を読んでみて、いろいろと自分なりに納得するところがあった。
一つは、光森さんも書いているように、私は『樺太を訪れた歌人たち』という本を書いただけでなく、自分もまた「樺太を訪れた歌人たち」の一人になったのだな、ということである。これは、今回言われてみて初めて気づいたことだった。
短歌には、きっとこんなふうに人を動かす力があるのだろう。詠む人や読む人の心を動かすだけでなく、実際に人の身体を動かし、人生を動かすことがある。短歌はそれだけの力を持っているのだ。(つづく)
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