2016年11月05日

馬場あき子著 『寂しさが歌の源だから』


副題は「穂村弘が聞く馬場あき子の波瀾万丈」。
角川「短歌」2013年10月号から2014年10月号にかけて連載された「馬場あき子自伝―表現との格闘」に加筆修正したもの。

穂村さんのインタビューに答える形で、生い立ちから戦時中の青春時代、短歌との出会い、「かりん」創刊、今後の短歌についてなど、かなり率直に語っている。

どの雑誌も創刊のころというのは元気で、楽しいものです。だから、いつも創刊号を出すつもりで編集すべきなんです。

良い言葉だなあと思う。マンネリにならないように、常にフレッシュな気持ちであり続けるということだろう。

六十過ぎたらもう自分自身との対話だけがたよりですよ。
歌人は歌を作る以外、ないのよ。それで、毎日、歌を作る。

シンプルな言葉が胸に響く。表現する人だけが持つ深い孤独が感じられる。

馬場さんの人生や作品の奥に潜むものが、十分に伝わってくるインタビューであった。聞き手の穂村さんの力も大きい。

2016年6月25日、角川書店、1800円。

posted by 松村正直 at 10:06| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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