(以下、ネタバレあり。まだ作品を読んでいない方はご注意下さい)
熱い犬という不思議な食べ物から赤と黄色があふれだす夏
1首目。ホットドッグからはみ出す原色のケチャップとマスタード。
海からの風きらめけば逆立ちのケチャップ逆立ちのマスタード
5首目まで来てまるで答え合わせをしているみたいに、この歌がある。「逆立ちの/ケチャップ逆立/ちのマスタード」の句跨りが効果的。
さっきまで食べていたのに上空を旋回してるホットドッグよ
7首目。突然、ホットドッグが空を飛ぶ。なぜ???
そして、ホットドッグのことなどすっかり忘れかけていた31首目(最後の歌)になって
僕たちの指を少しも傷つけずホットドッグを攫っていった
おお! 鳥(トンビ?)に持って行かれたわけか! だから「旋回してる」んだ。
7首目から31首目へ、こんなに間を空けて話がつながることにグッと来た。