2016年09月16日

永田和宏・永田淳・永田紅編 『あなた 河野裕子歌集』


河野裕子の残した約6400首の歌から、永田和宏、永田淳、永田紅の三人が約1500首を選んだアンソロジー。

15歌集それぞれに編者の書き下ろしエッセイが付いているほか、歌集の書影や年譜も載っている。解説は三枝ミ之さん。

永田和宏さんのエッセイ「自宅介護のころ」に書かれているエピソードが、何だかすごかった。感想がうまく言えない。

永田紅さんのエッセイ「どこかに猫はいないかな」には、こんな一節がある。

横浜に住むようになって、母は「横浜の猫はしっぽがない!」と驚いたそうだ。しっぽの短い鍵尾の猫を、それまで見たことがなかったのだ。

おお、こんな時こそ『くらべる東西』の出番だ。

カギ形のしっぽが多いのが「東のネコ」
真っすぐな形の尻尾が多いのが「西のネコ」

と、写真入りでちゃんと書いてある。

東京のわが家で飼っていたミミも、尻尾が曲がって短い猫だった。

2016年8月4日、岩波書店、1800円。


posted by 松村正直 at 09:57| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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