2016年07月25日

饕餮

青銅器の展示を見ていると、説明書のあちこちに「饕餮文」(とうてつもん)という言葉が出てくる。「饕餮」をかたどった文様という意味で、「鳥文」や「龍文」などともによく使われる文様らしい。多くの青銅器に渦巻きと目のある饕餮文が刻まれていた。

饕餮と聞いて思い出すのは、高島裕歌集『饕餮の家』。

 饕餮の家こそ見ゆれ、かなしみの霧ふかき野に光る眼がある

というのが巻末の一首だ。
あとがきには

饕餮は中国古代の伝説の怪獣である。『山海経』に「その状は羊の身の如く、人面、目が腋の下にあり、虎の歯、人の爪、その声は嬰児のやう・・・これは人を食ふ」とあるのがそれだといふ。殷周期の青銅器に施された獣の文様が饕餮文と呼ばれてゐることは、よく知られてゐる。

と記されている。

というわけで、饕餮に会いたい人は泉屋博古館へどうぞ。

posted by 松村正直 at 06:09| Comment(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんなにちゃんと読みを書いてもらうのはいいですね。
そうでないと、コピーしてググらなければです。
泉屋博古館も。

早速に「こんな夜更けにバナナかよ」買いました。
読みました。
うーん、予想上回るドキュメント。介助される側、する側、それぞれの言葉が印象に残ります。
結構分厚いのに一気読みしました。
Posted by 豚肉を揚げる音 at 2016年07月25日 23:37
『こんな夜更けにバナナかよ』は、作者が悩みつつ書いているところにも共感しました。書きながら考え、迷い、それでも諦めずに書き続けていく。その姿勢に心打たれます。
Posted by 松村正直 at 2016年07月26日 08:03
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。