プロレタリア詩人榎南謙一の作品が青空文庫に入っているのを見つけた。昨年末に新たに加わったらしい。「天瓜粉」「農村から」「無念女工」「夜雲の下」の4作品が入っている。
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1630.html
以前はネットで「榎南謙一」を検索してもほとんどヒットしなかったのだが、近年のプロレタリア文学の再評価などもあって、青空文庫で作品が読めるようになったのだろう。
榎南謙一は若き日の高安国世に大きな影響を与えた人物である。その詳細については『高安国世の手紙』に書いた。本にも書いたように、名前は「かなんけんいち」で、高安と同じ1913年生まれで、1944年に亡くなっている。
青空文庫の名前に「えなみけんいち」、没年が1945年とあるのは誤り。ただし、これは青空文庫への入力に際して底本とされた『日本プロレタリア文学全集・39 プロレタリア詩集2』の記載が間違っているので、止むを得ないことだ。
榎南謙一については、岡山県労働組合総評議会編『岡山県社会運動史9 星霜の賦』(1978年)が詳しい。15ページにわたって榎南の生涯と作品のことが記されている。
2016年07月12日
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