特定非営利活動法人「国境地域研究センター」が刊行する「ブックレット・ボーダーズ」の1冊目。
近年韓国人観光客が増加している対馬の現状を分析するとともに、ボーダーツーリズム(国境観光)の導入や商店街の活性化など、今後への具体的な提言がまとめられている。
国境地域は、外国から自国を守るための「砦」であるとともに、外国へ開かれた「ゲートウェイ」(入口、通路)でもある。
「砦」になれば、その地域はどんづまりになる。隣国との間に誰も通れない壁ができる。およそ地域としての自立やビジネスなどの展開は不可能だろう。
まちが生き残るには「ゲートウェイ」しかない。住民たちはそのことを肌で理解している。
国境問題を考える上で、こうした観点は非常に大事だと思う
対馬には歴史的な遺産や豊かな自然が多くある。福岡から対馬を経由して釜山へと至る「国内+海外」観光ルートの創設など、今後さらなる可能性が秘められている。
ぜひ一度、訪れてみたい。
2014年7月25日、国境地域研究センター、800円。