現代日本語文法の本。
第5部「アスペクト」、第6部「テンス」、第7部「肯否」を収録。
むちゃくちゃ面白い。
夢中になって読んでいたら付箋が50枚くらい付いてしまった。
日本語の文法について、いかに自分が知らないかということがわかって、実に新鮮である。
アスペクトの表現には、表現者である話し手がその事態をどのように観察しているかということが反映される。
テンスは、非過去形と過去形という述語の形態によって表し分けられるので、非過去形・過去形の対立をもたない述語には、テンスがない。
動き動詞の非過去形には、目の前で展開している動きを観察して述べる用法がある。
過去形を用いると、話し手が何らかの形で直接体験したようなニュアンスが生じるのに対し、非過去形にはそのようなニュアンスはないという違いがある。
否定文は、現象をそのまま述べる文よりも、話し手の判断を述べる文で用いられやすい。
印象に残った部分を少し抜粋した。これだけ読んでも何のこと?という感じだが、本の中では一つ一つ例文を挙げながら体系的に説明しているので、非常にわかりやすい。
全7巻のシリーズなので、他の巻も読んでいきたい。
2007年11月25日第1刷、2012年4月1日第2刷、くろしお出版、2800円。
読む私の能力は雲泥の差ですが、今までここで教えてもらって買った本、10打席10安打です。
1巻から読みたくなりました。私もボチボチとそろえていきたいと思います。
ところで様々なジャンルの本を見つけられるの、すごいです。
僕は最近の口語短歌を読み解くうえで、いわゆる「学校文法」ではなく、「日本語文法」を知る必要があると思っています。この本を読んだのもそういう流れなのです。
自分がふだん使っている言葉なのに(言葉だから?)気づいていなかったことがたくさんあります。
「由らしむべし、知らしむべからず」(「論語」)
か、あるいはその逆か、どちらがいいのでしょうか。
ぐるぐる廻ってるのが心苦しくもあるし、楽しくもあります。