本を読むのは好きだが、それ以上に本を買うのが好きで、街に出かけるたびに本を買ってきてしまう。おとなしく家にいても、ネットの古本などを買ってしまうので油断ならない。
自分の財布から出ていくお金の7割は本に費やしている感じがする。もちろん、銀行口座から引き落とされるものや、目に見えない交通費などもあるので、実際はそんなに多くはないのだが、イメージとしてはそれくらいである。
買うスピードの方が読むスピードより速いので、必然的に本が溜まっていく。それは机の下や椅子の後ろなどに、文字通り積ん読状態になっている。無駄と言えば無駄なのだが、これがけっこう楽しい。
先日読んだ想田和弘著『演劇vs.映画』も長らく積まれていた一冊。映画「演劇1」「演劇2」を観たのが2012年12月20日で、その後すぐに買った本である。でも、すぐには読まなかった。多分、映画と本が近すぎるように感じたからだろう。
それが最近になって、平田オリザの自伝エッセイ『地図を創る旅』(5月13日)を読み、想田監督の映画『牡蠣工場』(5月16日)を観たことで、ようやくこの本にも手が伸びたという次第である。
でも、時間が空くというのは良いもので、単に映画「演劇1」「演劇2」の撮影の舞台裏をのぞくという点だけではなく、ドキュメンタリーにおけるフィクションとリアルの問題や、演じるとはそもそもどういうことなのかといった深い部分が伝わってくるのを感じた。
「機が熟す」という言葉があるけれど、「積ん読」している間に、本と私の関係が発酵してきていたのだろう。同じ本でも、読むタイミングによって受け取るものは全然違ってくるのだ。
2016年06月03日
この記事へのコメント
図書館は使われたりするでしょうか。近所の図書館の短歌関連書の品揃えを、図書館ごとに比較してみるのも楽しいものです。
Posted by 森 at 2016年06月04日 00:05
調べ物をする時には図書館を使いますが、図書館で本を借りて読むということはほとんどないですね。普通に手に入る本は買って読みます。
Posted by 松村正直 at 2016年06月06日 15:21
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