2016年05月29日

筈(はず)

昨日の永田さんの講演の最初に

二人ゐて楽しい筈の人生の筈がわたしを置いて去りにき

という自作(今年の歌会始の詠進歌)の話が出た。
この歌は、河野裕子さんの

これからが楽しい筈の人生の筈につかまりとにかく今日の一日
              『蟬声』

の本歌取りになっている。
「〇〇の筈」は「道理」「当然」といった意味で使われる言葉だが、もとは弓矢に関係する言葉である。

『広辞苑』には

・弓の両端の弦をかける所
・弓に矢をつがえる時、弦からはずれないために、矢の末端につけるもの。やはず。

とある。学生時代にアーチェリーをやっていたので、こういうのは懐かしい。二つ目の「矢筈」はアーチェリーでは「ノック」と言っていた。

調べてみると、相撲の「はず押し」もこの筈に由来するらしい。手の形を矢筈のように「凹」にして相手の腋などを押すことから「はず押し」というのだそうだ。

弓矢から相撲へ。
言葉もよく飛ぶものだな。

posted by 松村正直 at 16:11| Comment(4) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。

最近は、耳によく覚えていたはずの裕子さんの声が
だんだん思い出せなくなってきました。

思い出すのに時間がかかるようになりました。

淳君の歌に声が聞きたいという歌があったように思いますが、

時間が経つと、又違った風に切実に共感します。



Posted by もり at 2016年05月30日 00:11
今年の夏で、河野さんが亡くなってもう6年になりますね。
あらためて歌を読み直してみようと思います。

Posted by 松村正直 at 2016年05月30日 07:47

映画の記事を少し拝見して。

ウィノナ・ライダーがお好きなら、『オータムインニューヨーク』

は、彼女がかわいいですよ。

お話はちょっとよくある感じだけれど。






Posted by もり at 2016年06月01日 22:37
リチャード・ギアとのラブストーリーですね。
僕が一番好きなのは「ナイト・オン・ザ・プラネット」でタクシードライバー役をしている彼女です。
Posted by 松村正直 at 2016年06月02日 16:11
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