二人ゐて楽しい筈の人生の筈がわたしを置いて去りにき
という自作(今年の歌会始の詠進歌)の話が出た。
この歌は、河野裕子さんの
これからが楽しい筈の人生の筈につかまりとにかく今日の一日
『蟬声』
の本歌取りになっている。
「〇〇の筈」は「道理」「当然」といった意味で使われる言葉だが、もとは弓矢に関係する言葉である。
『広辞苑』には
・弓の両端の弦をかける所
・弓に矢をつがえる時、弦からはずれないために、矢の末端につけるもの。やはず。
とある。学生時代にアーチェリーをやっていたので、こういうのは懐かしい。二つ目の「矢筈」はアーチェリーでは「ノック」と言っていた。
調べてみると、相撲の「はず押し」もこの筈に由来するらしい。手の形を矢筈のように「凹」にして相手の腋などを押すことから「はず押し」というのだそうだ。
弓矢から相撲へ。
言葉もよく飛ぶものだな。
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最近は、耳によく覚えていたはずの裕子さんの声が
だんだん思い出せなくなってきました。
思い出すのに時間がかかるようになりました。
淳君の歌に声が聞きたいという歌があったように思いますが、
時間が経つと、又違った風に切実に共感します。
あらためて歌を読み直してみようと思います。
映画の記事を少し拝見して。
ウィノナ・ライダーがお好きなら、『オータムインニューヨーク』
は、彼女がかわいいですよ。
お話はちょっとよくある感じだけれど。
僕が一番好きなのは「ナイト・オン・ザ・プラネット」でタクシードライバー役をしている彼女です。