まずは蹴上浄水場へ。
ここはツツジが有名で、ゴールデンウィークの間は一般公開されている。
昭和37竣工の本館。
増田友也設計の鉄筋コンクリート造3階建。
南北の長さは約120メートルもある。
こちらは明治45年建設当時の外観を残す第1高区配水池の煉瓦建築。
ヨーロッパの古い城のような姿をしている。
現代の日本なら、ロールプレイングゲームの世界とでも言ったらいいか。
赤黒い煉瓦の隙間から草が生えていて、色彩のコントラストが美しい。
天空の城ラピュタの世界。
実はこの配水池は現在大規模な改良工事を行っている。
それに伴って、この建物も曳家工法によって20メートルほど移動させてある。地上から浮いた(?)状態で仮置きされているわけだ。
工事が終ったら、また元の場所に戻すらしい。
建築物を保存するというのは、実に大変なことなのだと感じた。
50年前、100年前の建物がそれぞれ残っているというのは、それが建築的に優れているだけでなく、人々から愛され、大切に使われてきた証なのだろう。芸術品とは違って建築は、建てられた時がゴールではなく、そこがスタートなのだ。