2016年03月13日

藤原為家のエピソード

新聞に載っていた京都の公立高校の国語の問題を見ていたら、最初の設問が古文で、和歌に関する話であった。

為家卿は俊成の孫、定家の子孫成りしが、壮年の頃数多歌よみ給ひしに・・・

出典は江戸時代の随筆『耳嚢』。

和歌の家に生まれた藤原為家は、いくつ歌を詠んでも父に褒められることがなく、自分でもうまく詠めた気がしないので、「歌は詠まじ」と心に決めたのだが、僧の慈円に励まされて考え直す。そして「寝食を忘れて此道を修行なし」「五日の内に千首」詠んで歌集にしたのだと言う。

結びには

物は精心に寄りて其業を成就なすと、人の語りぬ。

とある。何ともすごい話だ。

posted by 松村正直 at 14:38| Comment(2) | 短歌入門 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
文学への熱意はすごいですね。西鶴は一日で二万句を詠んだと言われていますし。西鶴といえば、川本さんのご友人で、西鶴の研究をしていた方の話を思い出しました。この記事から趣旨が逸れましたが。
Posted by 森 at 2016年03月14日 20:06
一日で二万句!
それもまた、何ともすごい話ですね。
Posted by 松村正直 at 2016年03月15日 06:53
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