2016年02月02日

『食味往来』のつづき

島根県の江津(ごうつ)と広島県の福山のつながりの話も印象に残った。江津から江川(ごうのがわ)を遡ると、三次(みよし)、塩町を経由して上下まで行く。この上下から芦田川を下って行くと福山に出るのだ。

江川からのぼり、三次を通って福山へ行くには交通のきびしい時代でも、かなりたやすく往き来できたということである。

今でも、鉄道で言えば、江津から三次には三江線が、三次から福山には福塩線が通っている。しかし、どちらもかなりのローカル線で、利便性が良いとは言えない。

試しに、江津から福山まで最短で行こうと思えば

江津7:44―(スーパーおき)―新山口10:14
新山口10:21―(山陽新幹線)―福山11:16

というルートが最も速くてで3時間32分。
これに対して、三江線、福塩線を使うと

江津6:00―三次9:21
三次14:43―府中16:32
府中16:41―福山17:27

と、実に11時間27分もかかるのである。

江津と福山のつながりが現代では想像しにくくなっている理由は、このあたりにあるのかもしれない。

でも、例えば中村憲吉は1889年に三次(布野町)に生まれ、1934年に尾道で亡くなっている。尾道は福山に近い。なぜ終の住処が尾道だったのかを考える上でも、こうしたつながりを知っていることは役に立つのではないだろうか。

posted by 松村正直 at 07:13| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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