2015年12月07日

現代歌人集会秋季大会

昨日は13:00よりアークホテル京都にて、現代歌人集会の秋季大会が行われた。参加者102名。

安田純生さんの基調講演は、与謝野晶子の短歌に近世歌謡や端唄、都々逸などの影響が見られることを論じたもの。「乱れ髪」や「男かわゆし」といった表現を例に、実際の歌謡等の例を多数挙げていて、説得力があった。

これは「和歌―短歌」という流れだけを見ていたのでは気づかない部分であろう。レジュメに記された「和歌の流れを本流に、狂歌・歌謡の流れが加わって近代短歌が成立」という見方を的確に示す内容であった。

続いて松平盟子さんの講演「大逆事件と明星歌人〜思想と言論をめぐる衝撃」。明治36年から大正2年までの年譜を追いながら、明星系の文学者(石川啄木、与謝野晶子、与謝野寛、森鴎外、木下杢太郎、永井荷風)と大逆事件との深い関わりを解き明かすもの。

「星菫派」という言葉もあるように、恋や星やすみれといったイメージが強い「明星」であるが、実はそれは一面でしかなく、政治や社会の情勢に文学者として積極的に関わっていく姿勢があったことを知った。

続いて、第41回歌人集会賞(土岐友浩歌集『Bootleg』)授与式、歌人集会の総会があり、16:30終了。その後、隣りの部屋で懇親会。

posted by 松村正直 at 07:10| Comment(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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