シリーズの一つである「紐育空爆之図」も、最初の方に見開きで掲載されている。1996年の作品だ。
http://mizuma-art.co.jp/artist/popup.php?uid=0010&imgID=10
この作品については、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを詠んだ
紐育空爆之図の壮快よ、われらかく長くながく待ちゐき
大辻隆弘『デプス』
の歌と関連付けて、以前、論じたことがある。(「サブカルチャーと時代精神」2003年、『短歌は記憶する』所収)
今回初めて知ったのは、この作品の元ネタ(実際には違うのだが)と噂されている戦争画があるということだ。1943年刊行の『大東亜戦争海軍美術』に掲載されている古城江観の「紐育制圧図」で、ニューヨークのマンハッタン島を日本軍が爆撃する様子が描かれている。
ニューヨークというのは、昔も今も、やはり象徴的な場所なのだ。