2015年09月04日

『戦争画とニッポン』のつづき

『戦争画とニッポン』に会田誠が出ているのは、彼が「戦争画RETURNS」というシリーズを制作したことが大きな理由であろう。

シリーズの一つである「紐育空爆之図」も、最初の方に見開きで掲載されている。1996年の作品だ。
http://mizuma-art.co.jp/artist/popup.php?uid=0010&imgID=10

この作品については、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを詠んだ

紐育空爆之図の壮快よ、われらかく長くながく待ちゐき
             大辻隆弘『デプス』

の歌と関連付けて、以前、論じたことがある。(「サブカルチャーと時代精神」2003年、『短歌は記憶する』所収)

今回初めて知ったのは、この作品の元ネタ(実際には違うのだが)と噂されている戦争画があるということだ。1943年刊行の『大東亜戦争海軍美術』に掲載されている古城江観の「紐育制圧図」で、ニューヨークのマンハッタン島を日本軍が爆撃する様子が描かれている。

ニューヨークというのは、昔も今も、やはり象徴的な場所なのだ。

posted by 松村正直 at 22:37| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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