付箋なきバスの読書に謹呈票はさみ剥ぎたる帯も挟みぬ
島田幸典「鉛筆」12首より。
ちょっと変った状況であるが、歌人にはよくわかる歌だ。
バスの車内で歌集を読んでいて、好きな歌や気になる歌に付箋をつけようと思ったものの、あいにく手元に付箋がない。そこで、謹呈の紙(もらった歌集だったのだろう)や本の帯を挟んでおいたというのである。
私も付箋を忘れた時には、よくレシートやちぎった紙を挟んだりする。付箋をつけながら歌集を読むという人はきっと多いのだろう。あまりたくさん付け過ぎると、何が何だかわからなくなってしまうけれど。