2015年05月12日

高桑信一著 『山の仕事、山の暮らし』


2002年に「つり人社」より刊行された単行本の文庫化。
元は月刊「つり人」別冊「渓流」1993年夏号〜2002年夏号に連載された「山に生きる」をまとめたもの。

「只見のゼンマイ採り」「檜枝岐の山椒魚採り」「会津奥山の蜂飼い」「岩手・浄法寺町の漆掻き」など、山で生きる19名の姿を記したドキュメンタリー。時代とともに失われつつある暮らしの様子が、生き生きと描き出されている。

この連載が書かれてから、既に十数年〜二十数年が経過した。現在この方たちはどうしているのだろう。

例えば、南会津の駒止峠の「峠の茶屋」で岩魚を焼いていた中村源治さんと奥さんの武子さん。1993年の取材当時「定年もないしねえ、まだ二十年ぐらいは頑張れるでしょ」と話していた。

けれども調べてみると、1999年に源治さんが亡くなり、「峠の茶屋」も2005年に廃業。現在は更地となっているそうだ。時の流れとはいえ、やはり寂しい。

2013年3月5日、ヤマケイ文庫、950円。

posted by 松村正直 at 07:17| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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