「ジャパノロジー・コレクション」と題されたシリーズの一冊。
根付についての入門書。数多くの作品の写真を載せ、題材、作者、材料、歴史などについて解説している。写真を眺めているだけでも楽しい。
根付は見るだけでなく手に持ったり握ったりすることを前提とした「触覚の芸術」である。
根付は年月の経過や使用により美的価値が増していく「進行する美術」なのだ。
といったあたり、これまであまり意識していなかったので、ハッとさせられた。
作品タイトルの英訳も面白い。「浪人」は「Masterless samurai」、「松茸狩」は「Mashroom gathering」、「あっぷっぷ」は「You laugh first!」。なるほど。
2015年2月25日、角川ソフィア文庫、920円。