旧暦では、正月は冬から春へ移行する折り目にあたり、盆は夏から秋へ移行するときの折り目で、一年間の季節を二分している。
2015年で言えば、旧暦の正月(1月1日)は2月19日、お盆(7月13日〜15日)は8月26日〜28日となり、確かに季節の変わり目と一致する。
昭和二十五年(一九五〇)からは「年齢のとなえ方に関する法律」により、年は人それぞれの誕生日に満で数えるようになった。
戦前は「数え年」で数えていや年齢を、戦後になって「満年齢」で数えるようになったことは知っていたが、それが法律に定められているとは初耳であった。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24HO096.html
(年齢のとなえ方に関する法律)
著者は「あとがき」に次のように記す。
大正十年(一九二一)旧満州の大連市で、鉄道会社に勤めるサラリーマンの家庭に生まれた。我が家には神棚はなく、両親が盆行事をしていたおぼえもない。二〇世紀初めの植民地に暮らしていた日本人の核家族は、母国の習俗やしがらみに無関心だったのである。
こうした生い立ちが、後に著者が年中行事や郷土芸能に関心を抱く遠因になったようだ。私の生まれた家(1970年代の東京郊外のサラリーマン家庭)も同じ環境だったので、よくわかる気がする。