2015年04月15日
古庄弘枝著 『沢田マンション物語』
副題は「2人で作った夢の城」。
2002年に情報センター出版局より刊行された本の文庫化。
設計から土木工事、内装に至るまでほぼ独力で、30年がかりで「沢田マンション」を築き上げた沢田嘉農・裕江夫妻についてのドキュメンタリー。抜群におもしろい。
小学5年生でアパート経営を決意し、12歳で製材の仕事を始めた嘉農さんと、13歳(!)で嘉農さんと結婚した裕江さんの人生は、とにかく破天荒で波乱万丈、それでいて夢の実現へと真っ直ぐに突き進んでいる。
60室あまりの部屋は一つとして同じ間取りのものはなく、1階から5階までスロープを通って車でのぼることができる、さらに、4階には池が、屋上には田んぼがあったりと、ひたすら自由で、手作り感満載だ。
「本はしょせん、他人が考えたものよ。わしは自分の頭で考える」と述べる嘉農さんの言葉が重い。
2009年9月20日、講談社+α文庫、819円。
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