2015年03月13日

『短歌清話 佐藤佐太郎随聞 上』の続き

本書の一番の読みどころは、やはり短歌に関して佐太郎が語っているところだろう。印象に残る言葉がたくさんある。

歌の批評には敬語を一切使わないのがいい。内容をずばずば批評し合うのがいいね、歌を批評し合う会なのだから。

道徳的でないことを仮にするとする。人間だからあり得る。その人がそういう歌を作っても、歌として良くさえあればいい。

よい歌が選ばれず、悪い歌が採られるようであれば結社の歌は駄目になる。

人生をいきてゆく間には実際、苦しいことも悲しいこともある。しかし、短歌を作ることによってそういう苦しみ、悲しみも一つの味わいとして受けとることができる。

歌は君、言い方だからね。どう言うかで決まる。見たところはみな同じなんだから。

一つ一つ、なるほどと頷きながら読んだ。

posted by 松村正直 at 06:18| Comment(2) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
行間から面白く読まれてるのが伝わります。
ご紹介頂いた「作歌のヒント」はいつも目を通せるように手元に置いています。読み手の想像と創造を狭めない丁寧な講義のようです。で、息抜きは「3時」で。
それぞれが目から巨大なウロコ剥落状態。
色んなジャンルの書籍の紹介はとても有り難いです。
助かります。
Posted by 豚肉を揚げる音 at 2015年03月13日 22:35
『作歌のヒント』は、歌作りのポイントが非常にわかりやすく書かれていて役に立ちますね。ノウハウやハウツーという意味ではなく、本質的な短歌論になっているのだと思います。

歌集・歌書以外の「色んなジャンルの書籍」はかなり個人的な趣味ですので、あまり参考になさらないように(笑)。
Posted by 松村正直 at 2015年03月14日 08:15
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