2015年03月02日

『どこでもないところで』の続き

「この世のほか」という短い文章がある。

この世とあの世ということを年来考えている。数年前、松村正直に「あの世ってあるんやろうか」と振り向いて訊くと「あると思いたいんじゃないでしょうか」とまことに明快に答えた。その通りだとわたしも思う。あの世は無いと思う。

このやり取りのことはよく覚えている。
河野さんの癌の再発前の話だ。

「あの世は無いと思う」と本当に思っているならば、「あの世ってあるんやろうか」と訊くはずもない。あの時、もっと違う答え方はできなかったんだろうかと、時々考えることがある。

posted by 松村正直 at 07:40| Comment(1) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今晩寝て無意識のときがあの世であり覚醒すればこの世である。仏は夫ならば妻の胸にあり寺などに座(いま)さない。かって、比叡山ドライブ山道で頂(いただき)から西方に沈む夕日を目にしたが億万浄土をおもわせるおもいをいだいた。河野裕子は極楽浄土の蓮のうてなに座しておられると思う。もうすぐ拙僧も浄土に行くから河野先生としたことがなかった歌会を愉しみにしている。
Posted by もうすぐ果てなむりょうしゅう at 2015年03月02日 10:45
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