2015年03月01日

河野裕子著 『どこでもないところで』


河野裕子エッセイ・コレクション3。

軽いエッセイのほかに、正岡子規、与謝野晶子、岡本かの子、馬場あき子、西行などを論じた評論も収められている。

印象に残るのは、河野さんの歌作りに関する話。

原稿依頼があった時、依頼された歌数の十倍の歌を作ることを自分に課している。
歌は理屈で作るものではなく、気合いで作るものだという一面があって、そういう時は、勢い、身体の方が先にことばをつかんでしまう。
歌を作りつづけているあいだに、自分のなかにあった、自分でも気がつかなかったものが現れてきて、驚くことがしばしばある。

河野さんの文章は、生身の河野さんの息遣いを強く感じさせる。

2014年10月25日、中央公論新社、1850円。

posted by 松村正直 at 11:16| Comment(0) | 歌集・歌書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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