2015年02月20日

田中淳夫著 『森と日本人の1500年』


日本の森が人々との関わりの中でどのように変化してきたかを論じた本。
古代の都の建設や養蚕業、鉄道の普及、林業、外国との木材貿易など時代ごとの様々な要因によって、森は大きく姿を変えてきた。

昔からあると信じていた森の景色も、実は近年に入ってつくられたケースが多い。

という一文に著者の主張はよく表れている。
そんな著者が現在の森づくりに必要だと考えているのは「美しいと感じる森をつくろう」という考え方である。

人が美しく感じるのは、五感で得る情報を無意識に解析して、草木が健全に育ち、生物多様性も高いと読み取った結果の感覚と思える。逆に不快感を抱く景観は、人間にとって危険な要素を含むのかもしれない。

こうした考えを科学的に実証するのは難しい。けれども、人間の美的感性に信頼を置くというのは、今後大事になってくるのではないか。森の変化に人間が大きく関わっている以上、そうした感性は無視できない要素と言えるだろう。

2014年10月15日、平凡社新書、780円。

posted by 松村正直 at 21:39| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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