2015年02月12日

1960年の高安国世(その3)

このメッセージが掲載された「新日本歌人」は、昭和21年に渡辺順三を中心に結成された新日本歌人協会の機関紙「人民短歌」が昭和24年に名前を改めたもので、現在も続いている。

新日本歌人協会のHPによれば「日本の近代短歌史のなかで石川啄木がひらき、土岐哀果(善麿)、渡辺順三らが発展させてきた「生活派短歌」の系譜を引き継いでいます」とのことで、毎年、啄木祭を開催しているようだ。

このところ、永田和宏さんが特定秘密保護法などに関してよく発言をしている。
例えば2013年12月号の編集後記には

▼国会では特定秘密保護法案が強行採決されようとしている。これはある意味では戦後最大の脅威を持つ法案と言うべきであろうが、それがほとんど議論されないままに、数を頼んだ一点突破方式で決まろうとしていることに、芯から寒気を覚える。(…)こういう問題を直接本誌で言ってきたことはないが、これは政治の問題である以上に表現に携わる者の死活問題なのである。

と書いている。

1960年の高安国世の文章を読んで思うのは、「塔」にはこうした政治的な側面がもともとかなり強くあったということだ。この永田さんの文章には「塔短歌会のメッセージ」と共通したものがある。

posted by 松村正直 at 06:54| Comment(0) | 高安国世 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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