2015年02月03日

「龍」2015年2月号

岡山の小見山輝さんを主宰とする龍短歌会の結社誌。
今月はなんと「九十代特集」が組まれている。
しかも20名もの参加があるのがすごい。

人形に服着せるごとゆつくりと腰かけて吾は着替へしてをり
               出井義子
店の客は日当り良きを褒めくれどわたしは店先ばかりに居れず
               武内重子
作りたる順に並べし干支の馬が貰はれて行くも順位崩さず
               長岡すみえ
夫の背骨つなぎてをりしこのボルト焼けずに残りて四年を経たり
               土屋智子
映されし航空写真に吾が家あり庭に出でヘリコプターに手を振りし
               福原千重

1首目、「人形に服着せるごと」という比喩に実感がある。身体がなかなか思い通りに動かず、時間がかかるのだ。
4首目は亡くなった夫の形見となったボルト。もとは単なる金属であったものが、今では夫の面影を感じさせる大切なものになっている。

posted by 松村正直 at 08:23| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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