茂吉が箱根を去って東京に帰るのは、9月12日のこと。
その2日前の9月10日に、ようやく茂吉は『ロダン』を読んでいる。
○終日雨ニテ籠居。ギリシヤ精神ノ様相、リルケノロダン、セキスピアトドイツ(グンドルフ)等ヲ読ム
ありがとう茂吉!ついに読んでくれたね、という感じだ。
ここに挙げられている3冊は、いずれも岩波文庫の本である。
・ブチャー『ギリシア精神の様相』田中秀央、和辻哲郎、寿岳文章訳 昭和15年
・リルケ『ロダン』高安国世訳 昭和16年
・グンドルフ『シェイクスピアと独逸精神 上下』竹内敏雄訳 昭和16年
グンドルフはドイツの文学史家。
この頃、ドイツ文学関係の本の出版は非常に多い。