2014年12月15日

佐藤佐太郎、斎藤茂吉、高安国世(その5)

その後も、散文を書いたり、歌の清書をしたり、選歌をしたり、人と会ったりして、8月の後半も過ぎて行く。夏も終ってしまうというのに、一体いつになったら『ロダン』を読むのだろうか。

茂吉が箱根を去って東京に帰るのは、9月12日のこと。
その2日前の9月10日に、ようやく茂吉は『ロダン』を読んでいる。

○終日雨ニテ籠居。ギリシヤ精神ノ様相、リルケノロダン、セキスピアトドイツ(グンドルフ)等ヲ読ム

ありがとう茂吉!ついに読んでくれたね、という感じだ。
ここに挙げられている3冊は、いずれも岩波文庫の本である。

・ブチャー『ギリシア精神の様相』田中秀央、和辻哲郎、寿岳文章訳 昭和15年
・リルケ『ロダン』高安国世訳 昭和16年
・グンドルフ『シェイクスピアと独逸精神 上下』竹内敏雄訳 昭和16年

グンドルフはドイツの文学史家。
この頃、ドイツ文学関係の本の出版は非常に多い。

posted by 松村正直 at 07:58| Comment(0) | 高安国世 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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