2014年12月08日

角川「短歌」2014年12月号

小池光の巻頭作品「球根」31首が良かった。

カーテンより朝光(あさかげ)の射す床上に猫のいのちはをはりてゐたり
なきがらの猫の首よりはづしたり金の鈴つきし赤き首輪を
すぎこしをおもへばあはれむすめ二人の婚礼があり妻の死があり
猫の骨壺妻の遺影とならびをり秋のつめたき雨は降りつつ
死のきはの猫が噛みたる指の傷四十日経てあはれなほりぬ

最初は「猫が死んだくらいで、なんて大袈裟な」と思ったのだが、読み進めていくうちに15年という歳月や奥さんの死のことが重なってきて、じわじわと胸に沁みた。

posted by 松村正直 at 23:27| Comment(0) | 短歌誌・同人誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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