2014年10月06日

小関智弘著 『町工場・スーパーなものづくり』


町工場で旋盤工として50年以上働いた経験を持つ著者が、技術や技能、ものづくりについて記した本。最近「日本のものづくりはこんなにスゴイ!」といった自国自慢の本やテレビ番組をよく見かけるが、それとは違う。

渡り職人は、渡り歩くことによってつねに新しい技能を身につけて、それをつぎの職場に伝えひろめる技能の伝達者でもあった。
旋盤工は、自分のバイト(刃物・松村注)を使い捨てるようになったとき、みずからが使い捨て可能な存在に変化してしまったのである。
工はたくみと読む。工場はたくみの場であり、旋盤工は旋盤という機械を使って鉄を削るたくみを意味している。たくみたちがものを作る場なのだから、工場の仕事はおもしろい。

私も以前、プラスチック成型工場で働いていたことがあるので、共感することの多い内容であった。

1998年8月25日第1刷発行、2005年6月10日第11刷発行、ちくまプリマーブックス、1200円。

posted by 松村正直 at 04:57| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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