2014年09月30日
松本博文著 『ルポ電王戦』
副題は「人間vs.コンピュータの真実」。
「○○の真実」という題を付けるのが流行りなのかな。
著者は将棋観戦記者、東大将棋部OB。
コンピュータ将棋の開発の歴史と、1990年に始まったコンピュータ将棋選手権、さらに2012年から始まった電王戦(棋士対コンピュータ)について記した本。
あとがきに「本書は、将棋という世界最高のゲームに魅入られた天才たちの物語である」とある通り、将棋ソフトを開発するプログラマーとプロ棋士、それぞれの情熱が印象的に描かれている。
将棋に関する本ではあるが、棋譜は一枚も載っておらず、すべて文章で説明している。テンポが良く、読みやすい文章だ。ただし、プログラマーの山本一成と宮澤藍の恋愛に関する話は、不要だったと思う。将棋部の後輩という関係ゆえか、その部分だけ文章のトーンが違っていて、浮いてしまっている。
2014年6月10日、NHK出版、780円。
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