副題は「[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学」。
シリーズ7作目。
登場する動物は、ヒバリ、コカマキリ、セグロアシナガバチ、ヒグマ、ハツカネズミ、シマリス、メダカ、ミジンコ、ヤギ、アカガエル、アカハライモリ、トノサマガエル、アマガエル、ノウサギ、タヌキ、キツネ、ニホントカゲ、ニホンカナヘビ、モモンガ、イモムシなど。
2007年から毎年刊行されてきたシリーズであるが、だんだんネタが尽きてきたのだろうか、回想や以前取り上げた話の後日譚が多くなって、やや新鮮味が薄れてきた。
ヤギ部で飼われていたヤギコが11歳で亡くなった時の場面。
私は、その最後の一息を、その体をさすりながら看取った。それは、ヤギコの一一年をずっと見てきた唯一の人間(部員たちは卒業していくのだ)に与えられた、せめてもの慰めだったのかもしれない。
そう言えば、大学時代のアーチェリー部の監督も同じようなことをよく言っていた。学生は毎年毎年入れ替わっていって、自分だけがずっと監督をしているということを。
年々(としどし)の教室写真の真んなかに我のみが確実に老けてゆくなり
永田和宏 『饗庭』
2013年5月31日、築地書館、1600円。