同じ座談会の中で、小池さんは「普通の家庭とは相当違う経歴の中で生きてきた松村正直という人間」ともおっしゃっている。これも、自分ではあまりそういう意識はないのが正直なところだ。両親が離婚すること自体は、今では少しも珍しくないことだろう。
むしろ一番影響があったのは名前が変ったことかもしれない。それまで「宇佐美」という名字であったのが、両親の離婚を機に、母方の「松村」へと変った。というより変えた。兄と一緒に八王子の家庭裁判所へ行ったことを覚えている。
高校2年の夏に戸籍上は「松村」になったのだが、高校では卒業まで「宇佐美」で通した。そのため「松村」と呼ばれるようになったのは大学に入ってからである。
その際、心配していたことが2つあった。一つは入学試験の答案に名前を間違えて書いてしまわないかということであり(実際に模試で1度間違えた)、もう一つは「松村」という呼び掛けにすぐに慣れるかということであった。
でも、それは全くの杞憂だった。大学に入って3日もしないうちに、もう「松村」という名前に慣れてしまったのである。「名前」という、自分そのもののように思っていたものさえも、こんなにあっけないものだったのか。それは18歳の私にとっては大きな驚きであった。
2014年09月26日
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