挿画:井上文香。
「こどものとも年少版」の折り込みふろくに連載された文章に加筆修正をしてまとめたもの。
「授かる」「生まれる」「親になること」「寝かせる」「食べさせる」など、テーマごとに短歌を引いて鑑賞をしている。私の歌も5首引いていただいた。
夕食の分だけ重くなりし子のからだを高き椅子より降ろす
あめ、あめと子はつぶやいてこの雨を見ているだろう保育所の窓に
アルバムを子どもの写真で埋めていく限りない未来などもうなくて
「東京のおばあちゃん」などとわが母を呼ぶ寂しさの遠からず来る
ようやっと昼寝せる子のかたわらに残る虫食いだらけの時間
そう言えばそんなこともあったなあと、自分の歌を読んで懐かしく思い出す。
2014年9月20日、福音館書店、1300円。