2014年09月02日

中島京子著 『イトウの恋』


開国間もない明治の日本を旅するイギリス人女性「I・B」と通訳の青年「イトウ」。屋根裏で発見されたイトウの手記を手掛かりに、現代の社会科教師と郷土部の生徒、劇画原作者の女性が、二人のことを調べていくというストーリー。

モデルとなっているのは、『日本奥地紀行』を記したイザベラ・バードと通訳の伊藤鶴吉。『日本奥地紀行』に描かれた二人の旅を伊藤の目から捉え直すという手法が、何とも鮮やかである。「明治の毒婦」と言われた高橋お伝も「D」という名前で登場する。

2008年3月14日第1刷、2011年4月1日第4刷、講談社文庫、648円。

posted by 松村正直 at 23:15| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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