2014年08月06日
赤坂憲雄著 『イザベラ・バードの東北紀行[会津・置賜篇]』
副題は「『日本奥地紀行』を歩く」。
イザベラ・バードの『日本奥地紀行』のうち、1878年6月24日から7月3日までの会津の旅と、それに続く山形県の置賜地方の旅を追ったもの。「第一篇 会津紀行」と「第二篇 置賜紀行」で文章の書き方や分量に大きな違いがあるが、それは別々の場所に発表した文章が元になっているからのようだ。
従来読まれてきた『日本奥地紀行』は原著の簡略本をテクストとしたものであったが、最近になって金坂清則訳『完訳 日本奥地紀行』(全4巻)が刊行され、原著の全貌が明らかになった。本書でもその成果が随所に織り込まれている。
バードは置賜地方の後は山形県の上山市を訪れている。斎藤茂吉が生まれる4年前のこと。バードの描く街道の姿に茂吉「念珠集」の文章が重なって思い浮かんでくる。
2014年5月23日、平凡社、1800円。
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