2014年07月16日

池内紀著 『ニッポン周遊記』


副題は「町の見つけ方・歩き方・つくり方」。

2004年から「観光文化」に連載されている「あの町この町」の中から30篇を収録。全国各地の町を訪ね歩いたエッセイである。

旅好きで、旅のベテランの池内さんならではの観察眼が随所に発揮されている。文章のテンポも良くて、読んでいて楽しい。

旅行先を選ぶとき、「元支藩」というのを一つのヒントにしている。小さく、まとまりをもち、歴史がよく残っている。そんな味わい深い町が多いからだ。
(青森県・黒石市)
江戸末期から明治にかけて、婿養子が二代つづいている。わが国固有の養子制度が本家の屋台骨を支える大きな力になったことがうかがえるのだ。息子だと、手のつけられないボンクラが跡継ぎになりかねないが、婿養子なら、近郊近在のとびきり優れた青年に白羽の矢を立てていい。
(長野県・須坂市)
訪ねるときはいつも船である。船に乗らなくては島影が見えないし、島々が一つまた一つとあらわれ、ついでゆっくりうしろに遠去かることもない。そもそも船で渡らなくては、島は島ではないのである。
(広島県・尾道市因島土生町)

山椒魚をから揚げ、塩焼き、天ぷらなどにして食べるということも、初めて知った。一度食べてみたいような、食べてみたくないような。

2014年7月8日、青土社、2400円。

posted by 松村正直 at 22:41| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。