篠弘さんの連載「戦争と歌人たち」の第11回―「人民短歌」の獄中詠(二)を読んで驚く。日中戦争時の非合法学生組織「京大ケルン」のメンバーであった布施杜生の短歌が載っているのだ。
布施が短歌を作っていたという事実を初めて知った。
永島孝雄(昭和16年獄死)・布施杜生(昭和19年獄死)らは、野間宏ともつながりがあり、野間の小説『暗い絵』の登場人物のモデルとなっている。
高安国世は「京大ケルン」と直接の関わりはなかったが、野間宏、内田義彦、下村正夫など高安の友人たちはみな、後に治安維持法違反で逮捕されており、高安がそうした人脈の中にいたことは間違いない。
布施杜生は大正3年生まれ、昭和11年京大哲学科入学。
高安国世は大正2年生まれ、昭和9年京大独文科入学。
この2人の間に何か接点はあったのだろうか。
全く知りませんでした。
古書で手に入れて読んでみます。