2014年07月12日

「歌壇」2014年8月号

篠弘さんの連載「戦争と歌人たち」の第11回―「人民短歌」の獄中詠(二)を読んで驚く。日中戦争時の非合法学生組織「京大ケルン」のメンバーであった布施杜生の短歌が載っているのだ。

布施が短歌を作っていたという事実を初めて知った。

永島孝雄(昭和16年獄死)・布施杜生(昭和19年獄死)らは、野間宏ともつながりがあり、野間の小説『暗い絵』の登場人物のモデルとなっている。

高安国世は「京大ケルン」と直接の関わりはなかったが、野間宏、内田義彦、下村正夫など高安の友人たちはみな、後に治安維持法違反で逮捕されており、高安がそうした人脈の中にいたことは間違いない。

布施杜生は大正3年生まれ、昭和11年京大哲学科入学。
高安国世は大正2年生まれ、昭和9年京大独文科入学。
この2人の間に何か接点はあったのだろうか。


posted by 松村正直 at 00:17| Comment(2) | 高安国世 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新潮文庫の久保田正文編『現代名歌選』に布施の作品が採られていますね。
Posted by 黒瀬珂瀾 at 2014年08月14日 02:00
そうでしたか。
全く知りませんでした。
古書で手に入れて読んでみます。
Posted by 松村正直 at 2014年08月14日 07:40
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